私には一つ下の妹がいます。
妹は私と似ておらず、私は母似、妹は父似で、特に幼少期の妹は誰が見ても美少女でした。

幼少期の頃の私と妹は仲が良く、妹は内気だったけど、控えめな良い子で誰からも好かれていました。
何たって、ほんと美少女だったから。
そんな妹を羨ましく、いや疎ましく思っていたかもしれない。
可愛い妹は、控えめで内気。ブサイクな姉の私は、暗くて陰気な感じに思われていたから。

ですが、幼稚園を卒園した私は、小学生になってからは明るくなりました。
小学1年生の時に、横髪だけを三つ編みしたんです。
当時の少女漫画でよく流行っていた髪型ですね。
この髪型は、めちゃくちゃ可愛くなります。顔がブスでも雰囲気可愛いというか・・・。
私はすっかり上機嫌になり、よく笑うようになり、可愛いとまで言われるようになりました。

今思えば不思議ですが、妹は、望めばいくらでも友達が出来るのに、私や私の友達とよく遊んでいました。
私の友達なんて、ロクなのがいないのに・・・。

小学3年生のころに出来た友達は、転校前にゲームソフトを何本か私から借りて、パクったまんま転校しました。(普段の遊びから、誰もいない空家に侵入して遊ぼうとか、お菓子持ってきてとか、ゲーム持ってきてとか、私に命令したりする子だった。今思えば友達じゃないな^^;)

しかし、それよりもひどかったのが、小学1年生のころに出来た友達でした。
あまりちゃんと覚えていないけど、T子ちゃんという女の子で、T子ちゃんはよく「私には小学高学年の友達がいて、その子たちに頼まれている」と言い、お菓子などを「買ってきて」、と命令してくる子でした。
今思えば、小学高学年の友達とは結局は一度も会えなかったので嘘だったんだろうなと思うけど。

私と妹は、親にもらったお小遣いを全部使って、お菓子を買っていました。
ですが、小学1年生の子がもらえるお小遣いなんて、たかがしれています。
お金はすぐに尽きました。

するとT子ちゃんは、驚いたことを提案してきました。
T子「じゃぁ、スーパーから、お菓子盗って来て。」

私「えっ?とる?」

T子「万引き。」

妹「できないよ。」

T子「小学生が万引きするなんて誰も思わないから楽勝だって。」

そうしてT子と私と妹は、近所のスーパーに行きました。
昭和末期当時にしては、田舎でもそこそこ大きいスーパーで、エスカレーターやエレベーターもあり、近代的でお客も多いところでした。

すでにひねくれていたのか私は、段々ワクワクしてきたことを覚えています。
万引きがもしバレても、T子ちゃんのせいだし。
とは言え、T子ちゃんのせいには出来ないんですけどね。逆らえないから。

気持ちの問題かな。
自分の意思で万引きするのと、人に命令されてするのでは、罪悪感が違うのでしょう。
どっちにしても絶対やってはいけないことですが・・・。

私「ポテチは無理だよね。大きすぎてバレそう・・・。」

T子「だね。ガムとかどう?」

スーパーに着くと、周りのオバさん達は、私たち3人を時折微笑ましそうに見てきました。
小学1年生達が、こんな会話をしているとは思わないでしょう・・・。

お菓子売り場をウロウロしても、誰も全く疑わない。

T子「じゃぁ私とK子(妹)は、スーパーの外で待ってるから。盗って来てね。」

私「やってみる・・・。」

私はウロウロしながら、盗るお菓子を決めました。
私(あのガムにしよう・・・。)

ガムをさっと取り、小声で「おかあさ~ん」と言いながら走りました。
もし誰かに見られても、ただ、”お菓子を母親に持っていく子供”にしか見えないように。

そして、お菓子売り場を出て、角を曲がって誰もいないのを確認して、さっとポケットに入れた。

盗った。
とった、とった、とった、心臓がバクバクしてきた。

私は一気に走り出した。

けど、急に私はやめることにした。

どうしてやめることにしたのか、あまり覚えていない。
監視カメラがあるかもとか思ったのか?いや、小学1年の私には思いつかなかったと思うけど・・・。

なぜかわからないけど、とりあえず私はやめました。
一線を超えなくて、本当に良かった・・・。

盗ったガムを元に戻し、T子ちゃんと妹の元に戻りました。

T子「ガム盗って来た?」

私「無理だった・・・。あの辺でオバさんがたむろしてて・・・。」

T子「え~~っ。チッしょうがないな~、わかった、じゃぁ家から盗って来てよ。」

私「家のおやつ?」

T子「違うよ、お金。」

私「えっ、えっ、何?」

T子「お金ってどこにあるの?」

私「洋服ダンスのところにある・・・。」

その日は、T子は怒ったまま、私たちと別れました。
T子は「明日までね!」と念を押してきました。

その日の晩頃、父が仕事から帰ってくる前、母が台所で晩御飯を作っている時に、私と妹は、こっそりタンスから500円を取り出しました。

そうして私と妹は、少しずつ、100円とか200円とかを抜き取って、T子とのお菓子代にしました。
T子は「おっサンキュ~」と満足そうでした。

でも両親もバカじゃありません。
小学1年生と、幼稚園児のすることなんて、すぐにバレます。

ある日、両親から正座させられました。

母「何か言うことない?」

私と妹「・・・。」

父「財布からお金を盗んでいるだろ。いくら盗ったんだ。」

私「とってないよ・・・。」

母「馬鹿にするのもいい加減にしなさい!いつかやめてくれるだろうと、待ってたのに・・・。」

私と妹「ごめんなさい・・・。」

母と父「もう遅い!!」

私と妹は、母にゲンコツをくらい、ズボンをずらされ、父におしりをパンパン叩かれました。
涙と鼻水が滝のように出ました・・・。

私と妹「うわぁ~~ん、びえーーーん」

その後、誰かに命令されたのかと聞かれ、T子だと答えると二度とT子と遊ぶことは禁じられました。
あれから、T子がどうなったかは、覚えてないな・・・。

そんなにひどい目に合っても、妹は私と一緒に遊びました。
今思うと本当に不思議。当時は妹が私と遊ぶのは当たり前になっていて、何とも思わなかったけど・・・。
妹もそうだったのかな。私と遊ばないという選択肢はなかったのかな。

しかし、それも徐々に変わっていき、私が小学5年生の時に、決定的に私と妹の関係性が逆転する出来事が起きました。
2人とも外見も環境も変わってきたので、そのことがなくても、多分そうなるのは時間の問題だったと思いますが。
幼い頃はアイドル並の美少女だった妹も、小学高学年くらいになると、さすがにアイドル並ではなくなりました。それでも可愛かったんだけど・・・。

私が小学高学年ごろになった、ある日のこと、妹にはかなりキツイ出来事が起こります。
私と妹と母とで買い物をしていた時、母の職場の40代くらいの主婦の人?とばったり出会いました。

その人が、「あらぁ~姉妹?ソックリねぇ~!」と言ったのです。
妹が凍りつきました。
ただならぬ空気を感じた私は(いやいや似てないじゃん、妹のほうが可愛いって訂正してぇ~。)と心の中で祈りましたが、その願いは叶わず、「じゃぁね~!」と去ってしまうのでした。

それから妹はすっかり不機嫌になり、ワガママな性格へと変貌していきました。
対等、もしくは妹の方が私についてきてくれた関係性が、この日を境にハッキリ逆転しました。
私に八つ当たりしたり、親にワガママを言うようになったんです。
自分の方が、姉より上であるという確認作業だったのかもしれません。
ちょうど第一反抗期が来た頃という最悪のタイミングでもありました。

自分の外見が、私のような外見に似てくることが恐怖だったのかもしれません。
思春期でお年頃でしかも幼少期にアイドル並に可愛かった子が・・・、自分で言うのも何ですけど、生理的に受け付けないという容姿でいじめられるほどの姉の私の外見に似てくるとか、本気で恐怖だと思います・・・。

長くなりすぎました、続きます。