昔好きだった人に偶然にも再開し、「相談がある。家に行ってもいい?」と言われ、家に招待しました。

Mさんは1時間くらい話していましたが、中々切り出しませんでした。
ですが、会話の内容が徐々にお金の話になっていき、私はようやく察しました。

Mさん「いつから一人暮らししてたの?」

私「えー、最近です。ずっと実家に居ました。」

Mさん「金葉さん、貯金いくらくらいある?」

私はようやく自体に気がつき、
私「えっ?全然ないですよ。」
と、間一髪で嘘をつきました。

Mさん「え~?実家で暮らしてたなら、結構あるんじゃない?」

私「いや~お給料低かったし、今仕事してないし、一人暮らし始める時に全部使っちゃいましたよ。」

Mさん「通帳ある?」

私(うそっ、どうしよう!!あ、そうだ。)

私「あります。これ。」

と言って通帳を見せました。番号見られるからホントは嫌でしたが、Mさんはさっきまでとは雰囲気がガラリと変わり、2人きりで怖かった・・・。

私は銀行をいくつか持っていて、一番残高の少ない通帳を見せました。

Mさん「残り15万か。」

私「私、今仕事してませんし、家賃とか生活費とか払わないといけないんで、その15万円でギリギリです。」

Mさん「この残高本当?」

私「はい。」

Mさん「銀行に電話したら、今の残高を教えてくれるの知ってる?」

私(やっぱり疑われてる・・・。)

私「そうなんですか、電話してみましょうか?」

電話してみると「お客様の残高は15万円です。」とアナウンスが流れました。

同じ言葉がリピートされるので、私は「ほらっ、本当でしょう?」と言い携帯電話を渡しました。

Mさん「6万円貸してくれない?」

私「いや・・・キツイです。」

Mさん「じゃあ5万。10万あったら1ヶ月生活できるでしょ。」

私「いや・・・私は働いてないし・・・。来月の生活費が・・・。」

Mさん「働いたほうがいいよ。」

私「ですよね・・・。」

Mさん「ちゃんと借用書も書くから。」

私はMさんに5万円を貸しました。
そして借用書も書いてもらいました。
朱肉で2人の指紋の跡もつけました。

Mさん「じゃぁこの借用書は、俺がちゃんと預かっておくから。」

私「?!わ・・・、私が預かるんじゃないんですか?」

Mさん「なくなったら困るだろ?」

私「いやでも・・・。」
そんな無茶苦茶な・・・。

Mさん「じゃぁまたな。」

そして数日後、Mさんはまた家にやってきました。
1万円を返してくれたあと、

Mさん「5万貸してほしいんだけど。」

(・・・1万円返してもらった意味ない・・・。)

私「いえ、これ以上はホントきついです。」

Mさん「すぐ返すから。来週の給料日に。」

私は断れず、また貸してしまいました。

Mさん「ちゃんと借用書に書いておくからな。」

私「はい・・・。」

給料日に、またMさんはやって来ました。
通帳はもうすっからかんだし、大丈夫大丈夫・・・。
Mさんは、約束通りお金を返してくれました。3万円でしたが・・・。

それからMさんは、ぱったり現れなくなりました。

家に押しかけると何とか1万円を返してもらいましたが、これ以上は無理だろうなと思いました。

会話の内容はこんな感じで、
私「やっぱり来月厳しいので返してもらえませんか?」

Mさん「俺もきついんだよ。」

私「もう全然お金がないんです。」

Mさん「じゃあ、この1万で何とかしろ!!」

あれから数年経ちましたが、残り5万円は未だに帰ってこないままです。

10年前はMさんのことを想うと、ドキドキしてご飯が喉を通らなかったのに、
今は悔しくてご飯が喉を通りません。
10年前は、まさかこんなことになるなんて、夢にも思っていませんでした。

お金を貸してからは、数ヶ月間どうやって取り返せばいいのか、必死で考えたり、家の周りをウロウロしたりしました。
ネットでも検索してみたり・・・。
でもダメだった。お金を返してもらうことを考えると悔しくて変になりそうだったので、忘れることにしました。
立ち直るのに1年くらいかかりました。

今は5万円入りの財布を落としてしまったと、思うことにしています。
終わり